嘆きつつ 独り寝る夜の 明くる間は
いかにひさしき ものとかは知る
<右大将道綱母 - 拾遺集>
嘆きながら、
独りで寝て夜が明けるのを待つ時間が、
どれだけ長く感じられるものであるか
お分かりでしょうか。(いや、分かりますまい)
百人一首ばかり紹介するつもりじゃないのですけど、
取りあえず百人一首から好きな歌を選んでいきますですよ。
独りで寝るのが寂しいのは
もう1千年も昔から同じことで、
今に始まったことではないのですね。
さて、お分かりでしょうか、とコレ誰に問いかけているのかと、
調べてみましたらコレは夫であるところの藤原兼家に向けて詠んでいるのだそうです。
浮気ばかりして家に帰ってこない夫に、嫌味を込めて詠んだ歌だそうで…。
悋気は女の慎むところ、疝気は男の苦しむところ なんて、落語でよく言ってますが、
やきもちって、行きすぎなければ可愛いものだと思いますよ。
しかし、男の方も1千年前からあんまり変わってないのですねェ…。